2014年6月16日月曜日

20××年 夏『秘密箱』



別名 からくり箱。
組み木の箱になっており、正しい手順で木をズラさないと開かない。
ミステリーの夢が溢れる箱。
しばしば、物語において大切な キーアイテムになる。
(うろおぼえ主観辞典より出典)


何年か前に、怪人二十面相を 題材とした『k-20』という映画が公開された。
第二次世界大戦を免れた日本が舞台で、昭和で ありながらスチームパンクの 雰囲気漂う 怪人・探偵・令嬢が登場する王道活劇である。

その劇中で、重要な役割を 果たすのが『秘密箱』である。

これのおかげで 物語も登場人物の関係性も動く 大した仕事っぷりの あっぱれな小道具である。

大役を担うだけあり
様々な 種類の木の微妙な 色の違いを生かして組まれた外見も素敵で賢くないと開けられないという少々気難しい性質も合間って とても魅力的だった。


ぜひ、欲しい!
しかし、名前が 解らない!!

そう、当時の●●●は この箱の 総称を知らなかった。

なぜなら、一貫して『この箱』と呼ばれていたからだ。


モヤモヤしているうちに月日は流れ、手に入れたいという気持ちも 朧げになっていた ある日。

偶然『秘密箱』という単語を知った。

そこからの詳しい展開は 割愛するが、何と、友人から『秘密箱』をいただけたのであった。
(本当にありがとう!このご恩は いつか!)

上機嫌で中に何を入れようか思いを巡らせ、早速 木をズラし始めた。


…が。
開かない。

手順の紙を見ながらやっているのに、開かない。
動くべき場所が動かない。

賢さと忍耐と柔軟性を 試されている…。

一緒になんて されたくないだろうが、千年パズルを 完成させた遊戯君は大変だったろうな…。と少し思った。
まあ、向こうは組み立て、こちらはバラすのだけど。

いただいてから しばらくたったが、今だに開かない。
箱との攻防は、現在も進行形で続いている。