周りの音が 聞こえづらくなるので、家族に 話しかけられても 言葉が 途切れ途切れにしか解らず、 その度にヘッドホンを外して聞き返したりしていた。
そんなある夜、音楽を聞きながら 居間で 手紙を書いていると
耳元で ごにょごにょと囁かれた。
『えっ?』
いつものように、ヘッドホンを外すが、返事がない。
それ程 重要な 話では なかったのだろうかと、首を傾げつつも作業を再開した。
…。
すると、しばらくしてから
また
くぐもった声がした。
さすがに今度は 体ごと振り返った。
…。
真っ暗であった。
起きているのは ●●●だけで
家族は、とっくに就寝していたのだった。
…。
じゃあ、誰??
『怖ッ!!』
女性だった気がする。
ただ、確かめようと意識すると 声はしないので、ハッキリとは 断定できない。
そらみみだと願いたい。