2016年3月16日水曜日

さよなら、すみっこ書店



●●●が 乗り換えで使う大きめの駅の目の前のビルの一階に、その書店は ある。


好立地でありながら、なぜか目立たず、他では  一瞬で 売り切れる『黒子のバスケ』の1番くじが  何ヶ月経っても売れ残っている様な 驚異的に地味な本屋である。

しかし、いつでもお客はいるし 猫の額 程の極小の広さながら、中々変わった本を置いていたり 書店員さんが丁寧なので●●●は、ここが大好きだった。
愛着すら あるので、ちょっと残念だが 愛しいこの本屋の事を『すみっこ書店』と内心 呼んでいた。

定期的に発売される漫画は、なるべく、『すみっこ書店』で買っていたし、
本の取り寄せも、どんなに時間が かかっても、ここで頼んでいた。
まあ、頼んでから、2週間以上連絡がなかった時はさすがに、焦ったが…。

さて、そんなある日、
仕事帰りに『すみっこ書店』に寄り 
相変わらず 可愛くない柄だな〜と、思いながら 店員さんが 文庫にカバーをかける作業を見守りつつ、ポイントカードを取り出すと、『ポイント使いますか?』と尋ねられた。
いえ結構ですと、普段通りの流れで答えた。


しかし…。

そこからが いつもと違った…。


それは なにげない、自然な口調で告げられた。



『えっ?でもここ4月で閉店ですけど?』

…。
…??
…???

えっ???

う、嘘でしょ???

ショックであった…。
思わず。
大きな声を出してしまいレジの店員さんを驚かせてしまった。


カバーが ダサくても、文句言わないから、どうか潰れないでよっ…!!

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●●●が この大きな駅を使うようになってから…つまりは、就職してから いつも 仕事帰りにこちらには 通っていました。

会社で、理不尽に怒られて、むしゃくしゃして よく解らない『おもしろ法則図鑑』的な文庫を買ってしまって我に返ったり
以前●●●が 取り寄せた本が何冊か本棚に並んでいて、ニヤリと得意げになったり
一方的な思い出だけど、●●●にとっては、どれも忘れがたいものばかりです。

数々の本を見るたびに『すみっこ書店』を思い出すでしょう。


さようなら。
長い間、お世話になりました。
あなたは●●●が 胸を張って 大好きだといえる素敵な書店でした。

ありがとう。

さようなら。